青い空 aoisora kiyokku@globallink21.com

歴史

歴史教育は、間違うととても恐ろしいものである。
できごとのある一面だけを捉えてしまうことは、偏ったあるものの正義を示す道具になってしまう。

今ある歴史教育は、戦勝国側から見た論理でしかない。特に敗戦国は、悪魔のような言われようである。
戦勝国はその恐ろしい悪魔を押え込んだ、正義の象徴なのだと言わんばかりである。

私が日本人だからというわけではない。
どちらが正しいというわけでもない。
お互い悪い。戦争そのもの、いいはずはない。

戦後日本は、GHQによる改革によって大きな教科書の改定が行われた。戦争で日本軍が行ったことが、GHQの視点で書かれ、そして日本という精神は黒くかき消された。

現代に生きる人々は戦後生まれがほとんどである。
昔を語ってくれる世代の人々に耳を傾けようとはしない。
昔を語ることイコール悪魔のような軍国主義にもどることと勘違いしている。
戦前の日本を語ることはタブーになっている。

しかし、本当にそうだったのだろうか。国のために、愛する家族のために命をかけて戦った時代の人々が、台湾や満州国で何をしたのか。ただしい歴史から目を背け、忘れて否定することが、平和を願うことなのだろうか。

台湾で、日本は他のどの国よりも優れた統治をした。
教育をし、土地を開拓し、衛生面もよくなり病気での死者が減った。
その事実をどれくらいの日本人が知っていることだろう。

ただただ、悪かったと謝ることしかできない。
昔を知らずに、否定し平和平和と訴える。偏った教育を受けた我々は本当の歴史を知らず、敗戦国だけが責められ、負いめに感じさせられている。

人の命は大切である。
しかし、日本には「命よりも重いものがある」と三島由紀夫は言った。
その命よりも重いものが消え行くだろう未来を嘆き、自らの命を捧げた。

命よりも重いもの。それは公を大切にすること。1人はみんなのことを考え、みんなはみんなのことを考えること。
日々精進し、真贋を見極める知識をつける。
和を大切にし、世の中の役に立とうと満身創痍で努力していた戦前の日本の人々。

戦争をしたすべてが反省すべきである。
戦勝国は責められなくていいはずはない。広島や長崎の原爆は大量虐殺ではないのか?
敗戦国側の行った虐殺だけに敏感になり、それ以外のものを見ようとしないのはおかしいのではないだろうか。

虐殺も戦争もあってはならない。しかし偏った歴史認識があるかぎり、また正しい歴史を求めないかぎり、戦争はおわらない。

02.9.13


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